全ての細胞の材料は「油」だ。つまり・・・
人間には60兆個の細胞があるが、その全てに油脂がとても密接に関係しているという事を知っているだろうか?
つまり、ニキビができている肌は、悪い油脂により悪い細胞がつくられることが原因の1つとも言えるかもしれない。となれば、ニキビを治すために食生活を変える際には、摂取する油脂の質・バランスも考えていくことが重要になるだろう。
健康的な食生活だと自負している人は、油にもこだわっているだろうか?
「その油をかえなさい!」(あさ出版,内海聡)では、油脂や食べ物が体に及ぼす影響がまとめられており、この本を読んだことで健康的だと思っていた自分の食生活が実は穴だらけの不健康食生活だと知るキッカケになった。
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ニキビを治すために健康的な食生活を送っていると自負していたし、相対的に見れば他の人よりも健康的だろうとは思う。しかし、「その油をかえなさい!」を読む以前と以後では食生活、主に油脂に関する価値観が一変し、「今までの食生活はなんて雑で不健康的だったんだ!」とガッカリした。
例えば、加熱調理の際にはサラダ油を使うと思うが、そのサラダ油が実はとんでもなく害悪なものであるとしたらどうだろう?
サラダ油は実は酸化した毒物になりやすい
サラダ油などの植物性油脂は酸化しやすく、加熱調理に用いると、酸化して体への毒に早変わりしてしまう。そんな毒で作った料理も、毒をしみこませた料理だから当然健康的ではない。スーパーなどで売られている揚げ物なども、コストがかからず大量に使えるサラダ油を使いまわし、酸化させまくりながら揚げている品がほとんどだろう。
そういう点から見ても、スーパーなどで既に揚げられている・焼かれている食品は不健康的だと言える。さらにそれらの食品は、時間がたってもシナシナになり見栄えが悪くならないように食品添加物などが混ぜられている可能性も高い。
酸化した油脂や食品添加物は排出されにくく、長く体の中に留まるといわれており、そのような不自然な物質が体に混入することで細胞に異常をきたしやすくなる。だからこそ、なるべく食品添加物の入っていない食品を選んだり、揚げてから時間がたっていない新鮮なものを食べるべきなのだろう。
俺自身も、本を読んでからはスーパー、コンビニなどに売っている揚げ物・焼かれていて酸化しているものは購入しないようになった。酸化しているものをすべてカットするのは不可能だが、なるべくそれらを食べないようにしたり、自宅で料理をするときも、肉などは酸化しにくいラード、ヘット、バターなどの動物性油脂で焼き、酸化しないその日のうちに食べるように意識しはじめている。
知らず知らず炎症・アレルギーを促進している
また、サラダ油にはオメガ6という健康的だと言われている脂肪酸が多く含有されている。しかし、そのオメガ6の実態は、炎症反応の促進・アレルギーの促進など細胞を過敏に反応させる作用があり、オメガ6を摂りすぎているせいでアレルギーになるというのが定説と言われている。また、敏感肌もオメガ6を過剰摂取しているのが原因なのではないかと俺はみている。
現代人は総じてサラダ油を使っていてオメガ6を過剰摂取してきてしまっている。だからこそ知らず知らずアレルギーになったり、炎症が出やすい体質になってきてしまっているのだろう。
先述したように、人間の60兆個の細胞は主に油で構成されているため、どのような油を摂取するかにより、細胞は良くも悪くも変化するのだ。なら、ニキビで悩む人は健康な細胞を作るために、健康的で良質な油をとっていくべきだと言えるだろう。
まず、油に関する誤解を解いておこう
俺をはじめ、多くの人は「植物性油脂は健康的。動物性油脂は不健康!」という認識が少なからずあると思う。しかし、「その油をかえなさい!」によれば、その認識は誤解であり、そういった刷り込みに騙されないようにするべきだと説いている。
まず、油やコレステロール自体が体に悪いと思われがちだが、健康的な成分だと言われているビタミンも油がなければ吸収されずに無駄になってしまう為、油は体に必要なモノだということを知らなければならない。
俺自身も、なるべく油をとらないことが健康的な食生活だと思っていたが、どうやらそれは勘違いだったようだ。とはいえ、摂らなさすぎもよくないが、摂りすぎもまた良くないから、適切な量を摂ることが重要なのだろう。
ビタミンには、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあるというのを聞いたことがあるだろうか?その脂溶性ビタミンというのが、油に溶けて吸収されるモノだから、油を摂っていないとそのビタミンも吸収されなくなってしまう。そして、その脂溶性ビタミンには、ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKなどの馴染みがあり、且つ健康を保つ上で重要なビタミンが含まれている。
- ビタミンA・・・髪や皮膚、粘膜、免疫力の向上
- ビタミンD・・・骨の形成、免疫力向上。腸、骨、腎臓、甲状腺の活性化
- ビタミンE・・・抗酸化、細胞膜の機能向上。神経伝達の正常化、血行促進、ホルモンの分泌作用の正常化。
- ビタミンK・・・動脈硬化、骨粗鬆症の予防
極端に油を抜いて生活している人は、これらの栄養もゴッソリ抜け落ちてしまうため、免疫力や代謝が悪化し、いろいろな病気を引き起こしかねない。ニキビ治療に苦心している人も、「油をとると皮脂が出てニキビになるから・・・」と極端に油を避ける生活をしていると、逆に油を摂らないことがビタミンの吸収を悪化させ、肌の修復ができずにニキビが治らないという可能性もあるだろう。
そもそも摂取する油と肌から分泌される油は別物だ。そこまで神経質に油を避けるのではなく、「人間の細胞は油で構成されている」という意識の下に、良質で健康的な油をバランスよく摂っていくほうが重要だろう。俺も本を読んでからは摂取する油の質が一変し、それと同時に今までどれだけ悪質な油を摂っていたのかを思い知らされた・・・。
悪質な油の代表例:トランス脂肪酸
出典:情報速報
先述したように、オリーブオイル・サラダ油・ゴマ油などの植物油脂は酸化しやすく毒になりやすいが、ラード・ヘット・バターなどの動物油脂は酸化しにくく加熱調理に向いている。だが多くの場合、動物油脂はコストが高いため、コストが安く大量使用できる植物油脂が加熱調理の際にも使われている。
そして、その植物油脂を酸化しにくく人工的に改造したものが一時話題になった「トランス脂肪酸」だ。トランス脂肪酸はドーナツ、おかし、パンなどにも含まれており、意識していなければカットするのはとても難しいだろう。俺も意識しだしてから栄養成分表示をよく見たが、本当にいろいろなモノにトランス脂肪酸が含まれていた。
「酸化しにくくなったならいいじゃん」と思うかもしれないが、人工的に作られたトランス脂肪酸は自然にはない不自然な脂質だ。当然、吸収もされなければ排出もされにくく、一生に生産する量は決まっていると言われる消化酵素を浪費し、健康を損なう危険性が高い。
そんなトランス脂肪酸に関する実験で、トランス脂肪酸を多くとったグループと、そうでないグループを比べると、トランス脂肪酸をとったグループは、心筋梗塞を起こす確率が30%も増加したことが分かっている。また、トランス脂肪酸を多くとったグループは他のグループよりもLDL(悪玉)コレステロールが増加したとも言われている。

出典:mamatenna
上記の画像では、左下に「日本では心配無用」と言われているが、ずっとトランス脂肪酸を摂り続けていれば体内に蓄積されていくし、それは将来の病気の発生に繋がる。とらない方がいいに決まっているのだから、心配無用と切り捨てるのではなく、なるべく摂らないように意識するべきだと思う。
何度も言うが、人間の細胞はすべて油が材料になっている。勿論、肌の細胞も油で構成されている。だからこそ、良質な油をとることは肌をキレイにすることに繋がるし、逆にトランス脂肪酸などの悪質な油を摂っていれば、ビタミンの吸収も阻害される上に、消化酵素が無駄遣いされ腸内環境の悪化にもつながり、肌が汚くなるのも必然だ。
悪質な油を摂らないようにするのと同時に、良質な油をとるように意識すれば、それだけで肌の細胞はよみがえり始めるだろう。ニキビに悩んで食生活を変えようと決断したのならば、栄養バランスに気を付けるだけでなく、トランス脂肪酸を含む食品を避けたり、悪質な油・酸化した油が使われていたり、既に酸化している食品を食べないなどの油という観点から見た食生活も変えていってはどうだろう。
現代人が摂るべき油は「えごま油」
現代人はサラダ油を多く使っているため、サラダ油に含まれるオメガ6を過剰に摂取している状態にあると言われている。先述したように、オメガ6には炎症・アレルギー促進の効果があり、過剰摂取すると細胞が外敵に敏感になりすぎてしまい、体・肌に余計なダメージを与えかねない。
その問題を解決するために、オメガ6の対極に位置するオメガ3を摂取することが望ましいとされている。
オメガ3はオメガ6とは反対で、炎症・アレルギーの抑制効果があり、細胞の炎症を治めたりアレルギー状態を改善したりする効果があると言われている。現代のオメガ6過剰な食生活により神経質になりすぎている細胞を、オメガ3の力で緩和しバランスを良くすることで、正常な細胞を作り出すことに繋がる。
そして、そのオメガ3を含む油というのが「えごま油」だ。
サラダ油など少なくし、えごま油を多く使うことで、細胞の過敏度のバランスを丁度良くし、健康的な細胞をつくりだしていくのが油を使った健康法の当面の目標といえるだろう。
↓サラダ油とえごま油の脂肪酸(オメガ3・6)の含有量一覧の図。
出典:文部科学省HP
ごま油や大豆油などのサラダ油は、オメガ6がオメガ3の100倍近く含有されている。これではオメガ6過剰になってしまうのも頷ける。それに対して、今紹介したえごま油は、オメガ6の4倍程度のオメガ3が含有されている。まさにオメガ3を摂取するにはえごま油が最適といえるだろう。
また、EPAやDHAなどの動物性油脂(魚の油)にもオメガ3は含まれているから、サプリメントで摂るのもいいかもしれない。ちなみに、俺はえごま油と塩を混ぜた「えごま油ドレッシング」を自作し、サラダなどにかけてオメガ3を摂取し、加熱調理の際もオメガ6を含むサラダ油ではなく、オメガ6が圧倒的に少ないラード・バターなどを使っている。(えごま油は熱に弱く酸化しやすいため、加熱調理にはむかない)
オメガ3・オメガ6をバランス良く摂らなければならない
オメガ6が悪者のようなイメージを持ったかもしれないが、上の表を見て分かるように現代人がオメガ6過剰になっているというだけで、オメガ6も重要な脂肪酸であることには違いない。
なぜなら、オメガ6を全く摂らなければ、炎症・アレルギー反応は全くでなくなるからだ。つまり、炎症・アレルギー反応がないと、体内に外敵(ウイルスなど)が侵入しても反応せずにスルーするようになり、病気に感染しやすくなってしまうのだ。
炎症・アレルギー反応が強すぎれば、何でもないような刺激にさえ過敏に反応して炎症を起こしたりしてしまうが、弱すぎれば免疫力が低くなり、滅さなければいけないウイルスも簡単に侵入させてしまうようになる。
だからこそ、オメガ3とオメガ6をバランス良く摂ることで、炎症・アレルギー反応を丁度良い状態にしておくことが重要だ。(ただ、現代の食生活ではオメガ6が過剰なため、当面はオメガ3を多く摂るくらいがちょうどいいだろう)
また、えごま油を選ぶ基準として、以下が重要になる。
- 遮光性の高いビンに入っているか
- 一番搾り、低温圧搾で抽出されているか
- 余計なものが入っていないか
この基準を満たしている「紅花食品 有機 荏胡麻油(えごま油) 170g」を俺は使っている。今時は普通にスーパーに売っているが、もし売っていなければamazonで取り寄せてみてはどうだろう?
まとめ
- 植物油は脂肪酸の種類に注意
- トランス脂肪酸をなるべく摂らない
- 酸化した油、またはその油を使った食品を避ける
- オメガ3の含有量の多いものをとる
- えごま油で加熱調理はしない
- 加熱するならオメガ9(オリーブオイル等)
- またはヘット・ラード・バターなどの動物性油脂
オメガ6過剰な食生活により、我々の体・肌はあらゆる刺激や外敵に敏感になりすぎている。だからこそ、オメガ6の油をなるべく摂らないようにするのと同時に、敏感度を緩和するオメガ3を多く摂るようにし、健全な免疫力を持つ肌をつくるようにしていくべきだろう。